おもちゃは、いわゆる普通の子どもが遊ぶだけのものでは無く、何らかの障害を持った子ども達にもおもちゃを使うことにより 楽しい気持ちにさせたり、機能の回復・向上に少しでも役立てることができるツールです。
また ますます増えてくる高齢者達にも、おもちゃを使ってリハビリもできます。子ども回帰する認知症の方には、おもちゃで遊ぶことは受け入れられ易く おもちゃで遊ぶことで笑顔がみられることもあります。
玩具療法・トイセラピーとは「音楽療法」同様、福祉玩具(高価な特別な玩具ではなく一般に市販されているもので十分)を用いて、子どもにも高齢者の方にも安らぎを与えられるものです。
例えば実際の療法に取り組んでこられた玩具福祉学会理事長の小林るつ子さんは、どんな障害を持ったこどもでも、おもちゃを見ると、その表情も和らぎ、楽しそうにする。
脳の『楽しい』というサインが体に流れ、ほんの少しでも辛いことから逃れられれば嬉しい。
末期癌の方でも可愛い人形で癒され、重い障害を持つ方々も残存能力で玩具を楽しむ事が出来る。
また高度の認知症の方の場合でも、鳴いたり動いたりする猫のおもちゃに触れることで「あの人が認知症?嘘でしょう」と言われるくらいに、たとえそれがそのおもちゃに触れている時だけであったとしても、「可愛い、可愛い」と言って元気に喜びながら楽しんでくれる。
多くの高齢者の施設で、淋しい顔をしている方々に出会います。
しかし、玩具で少し遊び始めると、不思議な変化が起きます。元気になり、会話が弾み、笑顔がでます。
たとえ、認知症といわれるひとでも可愛いお人形を抱いた姿は素敵な御婦人に変化します。子育ての頃を思い出し、優しい笑顔になります。たとえひと時でも、この方が人間としての尊厳を取り戻す事は大切な事です。と話されている。
しかしおもちゃがあるだけでは楽しく遊べない場合もあります。家族やそこに関わる職員の方も共に参加することで喜びを分かち合うことが大事なのではないのでしょうか。